2012年5月31日木曜日

4-4.ファームジョブ

ファームジョブについて

オーストラリアでは2006年7月の移民局より、農家で3ヶ月以上その仕事に従事した者に、もう1年ワーキングホリデー・ビザ(以下、セカンドと略)として滞在できる、という仰天の発表がありました。
2007年には、林業と漁業が追加され、2008年には、鉱業、建築業も追加されました。

ということで、せっかくなのでセカンドの要件を満たして、もう1年オーストラリアに滞在してみませんか。
ファームの仕事は体力的に非常にキツイです。ただキツイ分、お給料はCityJobと比較して良い場合が多いです。

ファームの仕事をする理由は、人それぞれです。
セカンドの要件が欲しい人、お金が欲しい人、ステイメイトやローカルの人たちと仲良くなりたい人、英語の勉強をしたい人、純粋に農家の仕事に興味がある人、などなど

さて、幸か不幸か私は2年間のワーキングホリデー生活で、およそ7ヵ月半もファームジョブに従事していました。
1年目は本当に毎日が大変で憂鬱な日々でしたが、2年目は苦しいこともありましたが、心からファーム生活を楽しめました。

ということで、簡単にファームの仕事がどんなもんなのかを紹介してみようと思います。ただし、この情報は私個人の経験(主にBundaberg、あるいは広義でQueensLand州)に基づいています。予め、ご承知おきを。


ファームジョブの種類

さて、ファームの仕事ってどんなのがあるのか?
簡単に言うと、ピッキング(収穫作業)、パッキング(梱包作業)が中心です。

そのほかにも、PullPlastic(ビニール剥がし)、PullStick(添木の回収)、Wiring(金網の装着、あるいは、剥がし)、Vining(蔦の整理)、Weeding(雑草取り)、Planting(苗植え)、Sorting(仕分け)なんていうのもありますが、ここでは割愛します。

次に、実際にピッキング・パッキングしている作物を紹介します。
自分が携わったのは、プチトマト、トマト、ナス、ピーマン、かぼちゃ、スイカ、ズッキーニ、スコッシュ、さつまいも、など。
友人たちが携わってものには、レモン、マンゴー、メロン、イチゴ、グレープ、アップル、オレンジ、バナナなどです。
他に聞いたことがある中では、豆、パイナップルなど。

ちなみに、この中でピッキング作業としてツライと言われているのが、マンゴー、スイカ、メロン、かぼちゃ、ナス、ズッキーニなど。逆に楽だと言われているのが、プチトマト、トマト、レモン、アップルなどです。


給料と就業方法

次に、給料についてです。

ファームの給料は、時間給制(Hourly)か歩合制(Contract)の二つのみです。
ピッキングのいくつかの仕事は、歩合の場合があります。

主に歩合のピッキングとしては、プチトマト、トマト、ズッキーニ、さつまいも、レモン、イチゴ、アップル、オレンジ、豆などです。
その他の作物やパッキングは、時間給の場合が多いです。


さて、じゃ、どのくらい稼げるのか。。。

これは、各作物のシーズン(ピークかどうか)、その人のスキルや体力に依存します。

時間給の場合、1日6~12時間、週40時間で収まる場合もあれば、大幅に超える場合もあります。時間給は、おおむね税金を引いた後でもA$15ぐらいです。ということで、だいたい週40時間働けるとして、週A$600程度でしょうか。

歩合の場合、極めてシーズンと個人のスキルや体力に依存します。
稼げる人は6時間でA$200稼いだ人もいますが、同時間でA$50という人もいます。体が出来上がっている人には、歩合の仕事はお金を稼ぐには、非常に有効ですが、そうでない場合は、時間給から始めることを勧めます。

いずれにしても、どんなに運動が得意な人でも最初の1週間は、勝手が分からないこともあって体力的にかなり大変ですが、そのうちに体も慣れてきます。

次に、どうやったらファームで働けるのか、について。

一番、手っ取り早いパターンは、バックパッカーの中にはワークホステルの形態を持っている宿泊地があるので、そこに滞在しながら仕事を紹介してもらいます。
良い仕事をもらえるかは宿主やシーズン次第ですが、何らかの仕事は確実に紹介してもらえるハズです。。。
宿泊費は、通常のバックパッカーに比べて割高です。

もうひとつは、日本で言う職業安定所ようなところが各街にあるので、そこに登録をして仕事を紹介してもらうパターンがあります。
ただし、ほとんどの場合、自家用車が持っていることが前提のことが多いです。よって車持ちか、そのような友人らと行動することになります。

宿泊施設も自前で用意しないといけないのですが、その分、前述したワークホステルより全てが安く済ますことが出来て、総じて、お金を貯めることに特化したスタイルだと思います。


ファームでの生活パターン

次に、一日の流れを紹介します。

いずれの仕事も毎朝早く(朝4時から6時)に起きて職場に行き、9時頃と12時頃に休憩が各々にあり、夕方前(午後2時から5時)に終わることがほとんどでした。

ただし、倉庫で仕分けと包装の仕事をしている人たちは、出勤時間はピッキング作業員よりは遅めに出ることもありましたが、ピーク時には、まさに朝から晩まで働き詰めなんてこともありました。
いずれにしても、それから晩御飯を作って食べて、明日の支度をしたら、午後9時から11時の間には就寝します。

ピークで無い限りは、週末は休みなることが多く、そのときばかりはみんなでBBQに繰り出したり、パブで酒を飲みながらバカ騒ぎしてからクラブで行く、という感じでした。ファーマーと仲良くなって、よくお酒をおごってもらうこともありました。また、近くにビーチがあったので、バスを出してもらって泳ぎに行く人もいました。

私の場合は、1年目は、夕方前に仕事が終わって、スナックとコーラを飢えで凌いだら、気がついたら7時ぐらいまで寝てしまい、そこから、急いで晩飯を作って食べて、明日の支度をして、9時前には布団に入る感じで、寝る前はいつも翌日の朝を迎えるのが嫌で嫌で、軽く鬱になっていたと思います。

それでも、生活も後半になると昼寝も無くなり、他の人と話す時間も段々と増えてきて、その結果一緒に飲むようになり、布団に入る時間も11時過ぎになっても、翌早朝には疲れが取れてしまうような体になってしまいました。

2年目も同様の生活で、だいたい1日あたりの睡眠時間は6時間前後だったと思います。1年目の当初は、だいたい1日あたり10時間は絶対必要でしたが、まあ、人間、変わろうと思えれば変われるものです。

実際、以前の私は、いわゆる着痩せするぽっちゃりしたタイプでしたが、ファーム後は背中、腕、腰に信じられないぐらい筋肉がついて、しかも、ジーパンのサイズも一回り小さくなってしまいました。

一日一日が本当にアっという間に過ぎて、終わってしまえば、あー、こんなに長く滞在していたんだ、と思うこともしばしばです。

いかがでしょう。よかったら、是非チャレンジしてみてください。